社長のメシの誘いを暗に断っていたら、「仕事が出来ない」と言われました

タイトルの通りだ。社長からの昼飯の誘いを暗にスルーしていたら、遂に今日「仕事ができない」と言われた。経緯を説明しよう。

 

私が働いている会社は、いわゆるベンチャー企業。社員数は50人にも満たない。そんな会社なので、社長は社員がいるフロアを普通にウロウロしている。社長が、社員と一緒にご飯に行く姿も日常的によく見かける。

 

月曜日くらいから「今日はお弁当?」と社長に聞かれるようになった。私は節約のためにお弁当を持参しているので、「そうです」と答える。社長は「了解」と言ってその場を離れる。こんなやり取りが、連日続いた。

勘のいい方はお気付きだろう。暗に「ご飯行こうよ」と誘ってくれているのだ。初日は何も知らなかったのでお弁当を持参しているのは仕方ないにしても、社長の方から「今日はお弁当?」と何回も聞いてきたら、お弁当じゃない日を探っているのは明らかである。にもかかわらず、私はお弁当を持参し続けた。「スイマセェン、今日もオベントウなんです」と言い続けた。正直に言うと、相手の意図は察していたが、あえて避けていた部分がある。お昼休みまで誰かに気を遣うのが「面倒くさい」と思っていたからだ。

 

審判の日は訪れた。

お弁当を忘れた私はまだ昼飯をとっておらず、お昼すぎくらいに出社した社長から「今日もお弁当?」と尋ねられる。「いえ、今日はお弁当ないです」と答える。

「じゃあ、ご飯行こうよ」

「はい、ぜひ。」

「やっと、そうなったか~ご飯行く日取りを言い出さなかったから、全然仕事できないなと思ってたよ」

とまあ、こんな経緯である。なので、人格否定されるような感じで仕事できないと言われた訳では無い。ただこの一連の流れを思い返してみると、「仕事できない」と言われるのは納得感がある。もっと上手い対応あったやろ、と。

初日に誘ってもらった時点で「明日行きませんか?」とこちらから提案すれば、この問題はマルっと解決していただろう。昼飯なんてたかが1時間程度の話。毎日のように社長の誘いを断る方がストレスだ。

そうは言っても、なかなか行動できないのが人間である。やっぱり誰かに気を遣うのは面倒くさい。休み時間くらいは何も考えずに過ごしたいと思ってしまう。ズルズルと問題を先送りにした結果、「仕事ができない」と言われる。確かに「問題を先送りにする・相手の意図を汲み取ろうとしない」という点において、仕事が出来ない奴認定されるのも仕方ない。

「仕事は成果をあげることであって、誰かと一緒に飯を食いに行くことじゃない!」という風にも考えた。これは一理あると思う。しかし、成果をあげるための環境作りをするのも仕事の一環なのかなと思い直している。今回の状況に照らし合わせると、毎日お誘いを貰っているのに、お弁当持参を言い訳に断り続けているのは罪悪感があった。

「なんだかモヤモヤする。でもなぁ、めんどくさいと思っちゃうんだよなぁ。行ったほうがよかったかなぁ、うーん、でも(以後、永遠ループ)」と悩んでしまう。仕事とは関係ない部分で脳のリソースを使うのは、無駄なことである。残念ながら、私はこの葛藤を一旦意識の外に放っておいて業務が出来る人間ではない。相田みつをよろしく「人間だもの。」である。どうしても考えてしまう。この問題によって業務に支障をきたしているのだから、早々に解決する必要があっただろう。

今後も仕事をしていれば、苦手な人とコミュニケーションを取る機会は絶対にある。そういう時に、「コミュニケーションコストは、回り回って自分に返ってくる。じゃあ自分が仕事しやすい環境を作るにはどうすればいい?」という考えのもと行動してみようと思う。

今回の一件は、いい勉強になった。